大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和36(オ)958 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由は別紙のとおりである。

上告理由第一点について。

論旨は、原判決は憲法二九条及び法令に違反する旨を主張するのであるが、要す

るに経験則違背を主張するに過ぎず、そして、原判決は所論のように経験則を侵し

ているものとは認められない。所論違憲の主張は、名を違憲に籍りるに過ぎず採用

できない。

同第二点について。

論旨は、原判決に判断遺脱、理目齟齬の違法があるというのであるが、要するに、

原判決が上告人の主張と違つた判断をしたに過ぎず、所論の判断遺脱、理由齟齬は

ない。

同第三点について。

論旨は、本件登記申請書と委任状とで登記権利者の表示が相違しており、不動産

登記法四九条二号に該当するにかかわらず、原判決は、この点の判断を遺脱してい

るというのである。しかし、上告人は原審において、右の事実が同法四九条二号に

該当する旨を主張していないから、この点について原判決が判示しなかつたのは当

然であり、所論のように判断遺脱の違法はない。

同第四点について。

論旨は、原判決は憲法三二条に違背する旨を主張するのであるが、原判決が上告

人の請求を容れなかつたからといつて、裁判を受ける権利を奪われたといえないの

は勿論であつて、所論は名を違憲に籍りるに過ぎない。上告人は上告人の異議に対

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する棄却決定正本を受理していない旨を主張するのであるが、原判決は、証拠に基

いて、上告人が棄却決定の通知を昭和三五年三月三一日に受領した事実を認定して

いるのであつて、上告人の異議に対し決定があつたものと解すべきである。論旨は、

原判決の認定していない事実を前提としているのであつて採用の限りでない。

同第五点について。

論旨は一審判決を非難するものであつて、適法な上告理由とはいえない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

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